要約(3行)
- AWS は 9/16、新しい登録の形を発表した。有料プランでは、プロジェクトごとに「月の利用上限」(20ドルから)を決められ、上限に達するとそのプロジェクトはその月、止まる。Google Cloud は 7/28、特定のサービスに月の上限をかけ、達したら新しい利用を止める「Spend Caps」を公開プレビューで出した。
- どちらも、全部の人・全部のサービスに付いたわけではない。AWS は新しい登録の形で作ったアカウントが対象で、説明書は「限られた利用者に向けて公開中」と書いている。Google は、1つのプロジェクトの1つのサービスずつ(Gemini API、Agent Platform、Cloud Run など)にかける。
- 10/3、開発者の Simon Willison が「使った分だけ払うサービスには、初期設定で『止まる上限』が要る」と書いた。背景として、AI のコーディング道具が、有料の部品を使うコードを簡単に作れるようになったことを挙げている。
今後の使い方の流れ
- 自分の使っているサービスを確かめる。 AWS や Google Cloud を自分で契約しているか、AI の道具が裏で使っているかを、請求の画面で見る。どちらも使っていなければ、この記事の対象外。
- 上限をかける。 Google Cloud は、請求の画面の「Budgets」で種類を「Spend Cap」にして、対象の1プロジェクト・1サービスを選ぶ。AWS の新しい登録なら、有料プランに上げるときに「Set spend limits」を選べる。
- 警告と停止の違いを知る。 予算の「通知」だけでは止まらない。上限が「止める」仕組みかどうか、止まるのが何か(新しい利用だけか、動き続ける保存の料金は残るか)を、説明書で見る。
- 止まったあとの戻し方を決める。 Google は手動で上限を外すまで止まったまま。AWS は上限を上げると再開できる。止まったときに誰が気づくか(メールの宛先)を、先に決めておく。
この発表で何が変わりそうか(分析)
- 「通知」から「停止」へ。 どちらの会社も、予算の通知に加えて、上限に達したら実際に止める機能を足した。AI の道具が自動でサービスを呼ぶ前提で、使いすぎの怖さへの手当てとして出している(Google は「AI の利用は予測しにくい」と説明)。
- 止まるのは「全部」ではない。 Google の説明書では、止まるのは対象のサービスの新しい利用で、動き続けるサーバーや保存の固定の料金は止まらず、契約済みの固定の料金も請求される。止まる前に処理中だったものは最後まで動き、その分も請求される。上限を決めても、上限ちょうどで請求が収まるわけではない。
- AWS は、使える人が限られる。 What's New は「新しい AWS アカウントを作って試す」と案内し、説明書は「限られた利用者に向けて公開中」と書く。すでに持っているアカウントに自動で付くとは書かれていない。有料プランへの切り替えは元に戻せない。
- Google は公開プレビュー。 説明書は「Pre-GA(正式前)」で、「現状のまま」の提供で、サポートも限られうると書く。再販業者経由の契約と、Gemini Enterprise のような月額契約の部分は対象外。
- 自動化が進むほど、上限の置き場所が大事になりそう【推測】。 人が画面で操作するときは1回ごとに気づけるが、エージェントが夜のうちに動くと、気づくのは翌朝になりうる。Simon Willison は、真夜中に届く警告メールでは遅いと書いている。
- 中の人の言葉:Simon Willison(開発者。この記事の書き手は発表した会社の人ではなく、独立した書き手)の「These need to be hard limits.」(これは「止まる」上限でなければならない)。出典:下記の Simon Willison のブログ。
出典
- AWS「New AWS experience helps builders get started and ship faster」(2026-09-16)aws.amazon.com ↗
- AWS News Blog「AWS reimagines the getting started experience」aws.amazon.com ↗
- AWS Account Management の説明書「Upgrade your account in AWS Settings」docs.aws.amazon.com ↗
- Google Cloud ブログ「New early anomalies and spend caps on Google Cloud Budgets」(2026-07-28)cloud.google.com ↗
- Google Cloud の説明書「Manage spend cap budgets」docs.cloud.google.com ↗
- Simon Willison のブログ「We're going to need default hard budget caps on pretty much everything」(2026-10-03)simonwillison.net ↗
確認メモ(2026-10-06 に確認):AWS の発表・ブログ・説明書と、Google Cloud のブログ・説明書を開いて確かめた。無料のクレジットの額は、What's New が「最大200ドル」、ブログが「100ドル」と書き分けている。説明書は「登録で100ドル、さらに最大100ドルを獲得」と書くので、両方を合わせた最大が200ドルとして読んだ。AWS の上限の作り方のページは開けなかった。他の AI サービス(API の提供元など)の上限の仕組みは、見ていない。


