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AIの基本 / 安全と社会

AI の規制と指針:EU の AI 法と、日本の AI 法・AI事業者ガイドライン

出典を確かめた日 2026年10月1日(木) / 約7分で読めます

一言で

AI に決まりを設ける動きは、国や地域で形が違います。EU は、AI をリスクの大きさで分けて禁止や義務を定めた法律(AI Act)を持ち、日本は、AI の研究開発と活用を進めるための法律(AI 法)と、法的な拘束力を持たない指針(AI事業者ガイドライン)を出しています。

このページで分かること

先に知っておく言葉

EU:リスクの大きさで4段に分ける

欧州委員会の公式ページは、AI 法(Regulation (EU) 2024/1689)を、AI についての包括的な法の枠組みとして世界で初めてのもの、と紹介しています。AI を作る側と、事業で使う側に向けた決まりで、AI の使い道をリスクの大きさで4段に分けます。

これとは別に、汎用 AI モデルを出す事業者には、透明性や著作権についての決まりがあります(→ 別ページ「著作権と学習データ」)。

EU:いつから当てはまるか

同じ公式ページによる日付です。

高リスクの時期と9つめの禁止は、AI 法の運用を簡単にする改正(「AI Omnibus」と呼ばれる)で決まりました。公式ページによると、改正の提案は2025年11月19日に出され、2026年5月7日に政治的な合意に至り、2026年7月27日に発効しています。

日本:AI 法

正式な名前は「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(令和7年法律第53号)です。内閣府によると、2025年5月28日に成立し、6月4日に公布・一部施行、9月1日に全面施行されました。内閣府の概要は、イノベーションを進めつつリスクに対応するには、今ある刑法や業種ごとの法律に加えて新しい法律が要る、と説明しています。概要に挙がっている主な中身は次のとおりです。

この法律の第13条にもとづき、2025年12月19日に AI 戦略本部が「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」を決めています(AI事業者ガイドライン・内閣府のページ)。

日本:AI事業者ガイドライン

総務省と経済産業省の指針で、2024年4月に作られ、いまは第1.2版(2026年3月31日)です。AI を開発・提供・利用する事業者(政府・自治体などの公的機関も含む)が対象です。ガイドラインは自らを「非拘束的なソフトロー」と位置づけ、その背景として次のような指摘を挙げています。

そのうえで、関係者の自主的な取り組みを促し、目指すところ(ゴール)を示して導く考え方で作った、としています。また、憲法・知的財産に関わる法令・個人情報保護法など、関係する法令は守るべきだ、としています。

国をまたいだ取り組み:広島 AI プロセス

AI事業者ガイドラインによると、2023年5月の G7 広島サミットを受けて、生成AI の国際的なルールを話し合う場として始まりました。2023年12月に「広島 AI プロセス包括的政策枠組み」がまとまりました。高度な AI システムを開発する組織向けの行動規範を守っているかを自ら報告する「報告枠組み」は、G7 の合意(2024年12月)を経て、2025年2月に運用が始まっています。2026年3月の時点で、日本企業9社を含む25の組織が回答を出し、OECD のサイトで公表されている、としています。

出典ごとの書き方の違い

欧州委員会のページは、AI 法を、禁止と義務を定め、当局が監督・執行し、汎用 AI モデルについては AI オフィスが是正を求めたり罰金を科したりできる法律として説明しています。AI事業者ガイドラインは、自らを拘束力の無いソフトローとしています。内閣府の AI 法の概要は、本部・基本計画・基本的な施策・責務を柱に書いています。

ニュースでの出方

関連する言葉

出典

  1. European Commission(Shaping Europe's digital future)「AI Act」最終更新 2026年8月3日 digital-strategy.ec.europa.eu ↗
  2. 内閣府「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)」 www8.cao.go.jp ↗
  3. 内閣府「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)の概要」 www8.cao.go.jp ↗
  4. 内閣府「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」令和7年12月19日 本部決定 www8.cao.go.jp ↗
  5. 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」本編 2026年3月31日 soumu.go.jp ↗

確認メモ:2026年10月1日に、上の出典を開いて確かめました。EU の AI 法の区分・日付・改正(AI Omnibus)は、欧州委員会の公式ページ(最終更新2026年8月3日)の本文によります。法令の原文(EUR-Lex)は取得できなかったため、法令の番号は公式ページの表記により、採択の日付は書いていません。日本の AI 法は、内閣府のページと概要の PDF で、名前と成立・公布・施行の日付を確かめました。e-Gov 法令検索は確認した時点で保守作業中で開けず、法律の番号(令和7年法律第53号)と第13条にもとづく指針であることは、AI事業者ガイドライン第1.2版の「はじめに」と脚注によります。AI事業者ガイドラインは「はじめに」・広島 AI プロセスの脚注・共通の指針の冒頭を読みました。AI 戦略本部が決めた指針は、内閣府のページで名前と決定日を確かめ、中身はこのページでは扱っていません。罰金の額や、どの AI がどの区分に入るかの細かい基準は、法律の解釈に関わるため載せていません。「ソーシャルスコアリング」「ディープフェイク」は、公式ページの social scoring・deep fakes を日本語にしたものです。国の文書は公共データ利用規約にもとづき、内容を言い換えて使っています(出典:総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」、内閣府「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)の概要」を加工して作成)。「ニュースでの出方」は、AIログの記事の無料部分を読んでこのサイトがまとめたものです。