一言で
ディープラーニング(深層学習)は、機械学習のやり方の1つです。層をいくつも重ねたニューラルネットワークを使って、データから学ばせます。
このページで分かること
- ディープラーニングが、AI・機械学習・ニューラルネットワークとどうつながっているか
- 「ディープ(深い)」がどこからを指すか(出典ごとの線の引き方の違い)
- 何が新しいとされ、何が難しいと指摘されているか
先に知っておく言葉
- 機械学習:データからパターンや決まりを見つけさせ、新しいデータの見分けや予測に使うやり方(→ 別ページ「機械学習とは」)
- ニューラルネットワーク:ノード(計算の単位)を層に並べてつないだ仕組み(→ 別ページ「ニューラルネットワークとは」)
- 隠れ層(中間層):ニューラルネットワークの中で、入力の層と出力の層のあいだにある層
- 特徴量:見分けや予測をするときに、データのどこに目を付けるか
- GPU:もとは画像の処理のために作られた、たくさんの計算を同時にこなせる部品(→ 別ページ「GPU と計算資源・データセンター」)
AI・機械学習との関係
令和元年版の情報通信白書は、AI・機械学習・深層学習の3つの関係を図にしたうえで、機械学習は AI の手法の1つ、深層学習はその機械学習の手法の1つ、と位置づけています。令和6年版の白書も、ディープラーニングを機械学習の手法の1つとしています。
「ディープ」はどこからか:出典ごとの説明
何層あれば「深い」と言えるかは、出典によって書き方が違います。
- Google の機械学習の用語集:隠れ層を1つ以上持つモデルをニューラルネットワーク、隠れ層を2つ以上持つものを deep model(deep neural network)と呼んでいる
- 情報通信白書(令和元年版):多数の層からなるニューラルネットワークを使う機械学習、としている。層の数の線は示していない。この呼び方は、あくまで多層のつくりに目を付けたもの、とも書いている
- 情報通信白書(令和6年版):ニューラルネットワーク(人の脳の仕組みを AI のプログラムでまねる、という考え方)を、さらに進めた技術、と説明している
仕組みのあらまし(白書のたとえ)
令和元年版の白書は、ニューラルネットワークを、神経細胞のつながりでできた人の脳にたとえています(情報通信白書のたとえ)。神経細胞にあたるノードが層をなしてつながり、入った情報が中間層(隠れ層)を通って出ていきます。望む答えが出るように処理のしかたを何度も調整するのが、学ぶということだ、と説明しています。
何が新しいとされたのか
令和元年版の白書は、特徴量を人が決めなくても、コンピューターが自分で取り出せるようになった点を、大きな飛躍とされる所として挙げています。白書が機械学習の説明で使う例は、ニンジンとジャガイモの写真の見分けです。そこでは、人が先に「色に目を付ける」と指示しておくと、見分けがうまくいきやすくなります。深層学習では、「色を見れば見分けやすい」という点まで、コンピューターが自分で学び取る、としています。
一方で同じ白書は、深層学習では、AI がどんな根拠でその判断をしたのかを人が理解しにくい、という指摘もある、と書いています。
何に使われ、なぜ注目されたのか
- 使われ方:AI事業者ガイドライン(第1.2版)は、2000年代以降、ディープラーニングなどによって画像認識・翻訳などの言葉の処理・音声認識が使われるようになった、としています。令和6年版の白書は、カメラに写った人の顔の見分けや、ロボットが自分で動くときの動きを最適にすることなどを例に挙げています
- 注目のきっかけ:令和元年版の白書は、2012年10月の画像認識の大会で、ジェフリー・ヒントン教授(カナダ・トロント大学)らのチームがニューラルネットワークを使い、2位に大差をつけて優勝したことを、AI への注目を集めたきっかけの1つとされるものとして挙げています。それまでの大会の優勝は誤認識率25%程度で、このチームは16.4%でした
- 注目された理由:同じ白書は、GPU などで計算の力が上がったこと、計算の力の向上とインターネット上のデータの行き来が進んで大量のデータ(ビッグデータ)が使えるようになったこと、それを背景に研究が進んだこと、を挙げています
- 生成AI とのつながり:令和6年版の白書は、ディープラーニングを土台に AI の性能が大きく上がったことで、さまざまなコンテンツを作れる AI(生成AI)が生まれた、としています
関連する言葉
- 機械学習・ニューラルネットワーク・生成AI・Transformer と注意・GPU と計算資源・データセンター(→ この欄の別ページ)
出典
- Google for Developers「Machine Learning Glossary」の deep model・neural network・hidden layer の項 developers.google.com ↗
- 総務省「令和元年版 情報通信白書」第1部第1章第3節「AIに関する基本的な仕組み」 soumu.go.jp ↗
- 総務省「令和元年版 情報通信白書」第1部第1章第3節「AIに関する動向」 soumu.go.jp ↗
- 総務省「令和6年版 情報通信白書」第Ⅰ部第3章第1節「第1~3次AIブームと冬の時代」 soumu.go.jp ↗
- 総務省「令和6年版 情報通信白書」第Ⅰ部第3章第1節「生成AIの急速な進化と普及」 soumu.go.jp ↗
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」本編 2026年3月31日、第1部「AIとは」 soumu.go.jp ↗
確認メモ:2026年10月1日に、上の出典の原文を開いて確かめました。白書はウェブ版の該当ページを、AI事業者ガイドラインは第1.2版の本編の PDF の第1部を読みました。「深い」の線は、Google の用語集は隠れ層の数で示し、白書は数を示していないため、両方を並べています。特徴量を自分で取り出す点は、白書が「とされる」と書いているとおりに載せています。令和元年版の白書にある「キャットペーパー」・AlphaGo の話と学習の3つの種類は、中心から外れるため載せていません。「ノード(計算の単位)」「GPU」の言い換えは、ふつうの意味を一言で添えたものです(GPU は令和6年版の白書の注にもとづきます)。AIログのニュースでは、この言葉はまだ出てきていないため、「ニュースでの出方」の節は置いていません。国の文書は公共データ利用規約にもとづき、内容を言い換えて使っています(出典:総務省「令和元年版 情報通信白書」「令和6年版 情報通信白書」、総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」を加工して作成)。