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AIの基本 / 大規模言語モデルの仕組み

考えてから答えるモデル(推論モデル・思考の連鎖):答えの前に途中の筋道を重ねる

出典を確かめた日 2026年10月1日(木) / 約8分で読めます

一言で

推論モデルは、返事を書く前に、指示を分けたり答え方を比べたりする「考える」段階を持つ AI のモデルです(OpenAI の説明)。このページで一緒に扱う「思考の連鎖」は、答えに至るまでの途中の筋道を、ふつうの文章で順に書いたものを指します。

このページで分かること

先に知っておく言葉

思考の連鎖(chain of thought)

この方法を示したのは、Google Research の Jason Wei らの論文(arXiv:2201.11903、初版は2022年1月28日、NeurIPS 2022 で発表)です。論文は、途中の推論の段階を自然な文章で並べたものを「思考の連鎖」と呼び、それを書かせる指示の仕方を「chain-of-thought prompting」と名付けました。

論文の方法は、モデルを作り直さず、指示の中に「問題・途中の筋道・答え」の3つがそろった例を数個入れておく、というものです。論文の図1では、答えだけを示した例を渡されたモデルは、食堂のりんごの数を問う算数の文章題に「27」と誤って答えました。途中の計算まで書いた例を渡されたモデルは、自分も「23−20=3、3+6=9」と順に書き、正しく「9」と答えています。

論文が示した結果と、論文自身が書いた限界は次のとおりです。

Google の機械学習の用語集は、少し違う形で説明しています。用語集では、大規模言語モデルに筋道を一歩ずつ説明させる指示の書き方で、例は、車の加速の問題に「関係する計算をすべて示して」と一文を添えるものです。計算を全部たどらせるので答えがより正しくなる可能性があり、使う人が途中の段階を見て答えの筋を確かめられる、としています。

論文は「例を見せて筋道を書かせる」形、用語集は「指示の一文で筋道を求める」形を中心に説明しています。

推論モデル:答えの前の「考える」段階

情報通信白書 令和7年版は、大規模言語モデルの最近の大きな動きの1つに「推論モデルの登場」を挙げています。

OpenAI は「推論モデル」というモデルの種類として、Anthropic は「考える」という機能として説明しています。

考える量・見え方・料金

ニュースでの出方

Claude の新しいモデルの記事で、考える量の設定が出てきました。

関連する言葉

出典

  1. Jason Wei ほか「Chain-of-Thought Prompting Elicits Reasoning in Large Language Models」arXiv:2201.11903、2022年1月28日(初版) arxiv.org ↗
  2. Google for Developers「Machine Learning Glossary」の chain-of-thought prompting の項 developers.google.com ↗
  3. OpenAI「Reasoning models」 developers.openai.com ↗
  4. Anthropic「Thinking」 platform.claude.com ↗
  5. 総務省「令和7年版 情報通信白書」第Ⅰ部第1章第2節「AI の爆発的な進展の動向」 soumu.go.jp ↗

確認メモ:2026年10月1日に、上の5つの出典の原文を開いて確かめました。論文は arXiv の PDF(第6版、2023年1月10日)の文字を取り出し、要旨・第1〜3章・第6章の限界の段落と図1・図2を読みました。「およそ1000億パラメータ」は第3.2節の記述で、図2の正答率の数字は図の中の値のため載せていません。Google の用語集は chain-of-thought prompting の項を、OpenAI は推論モデルの説明ページの「How reasoning works」「Reasoning effort」「Controlling costs」「Reasoning summaries」を、Anthropic は考える機能の説明ページの冒頭・仕組み・表示・effort の節を読みました。白書は「(ア)推論モデルの登場」と、DeepSeek-R1 を扱う「(イ)」の段落を読み、o1 の数字は白書が OpenAI の発表を引いた記述にもとづきます。各社の設定の名前の細かな段階や、モデルごとの初期設定の一覧は、モデルごとに違うため載せていません。「推論モデル」と「思考の連鎖」が同じものかどうか、どちらがどちらの元になったかは、確かめた出典に書かれていなかったため書いていません。「パラメータ」「API」「エージェント」の言い換えは、ふつうの意味を一言で添えたものです。国の文書は公共データ利用規約にもとづき、内容を言い換えて使っています(出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」を加工して作成)。「ニュースでの出方」は、AIログの記事を読んでこのサイトがまとめたものです。