AI Log

AIの基本 / 大規模言語モデルの仕組み

学習(事前学習)と推論:モデルを作る段階と、使う段階

出典を確かめた日 2026年10月1日(木) / 約8分で読めます

一言で

学習は、データを読ませてモデルの中の数値(パラメータ)を整えていく段階で、推論は、学習を終えたモデルに入力を渡して答えを出させる段階です。事前学習は、大量のデータで最初に行う学習を指します。

このページで分かること

先に知っておく言葉

学習:モデルの中の数値を整える段階

Google の機械学習の用語集は、学習(training)を、モデルを形づくるパラメータのちょうどよい値を見つけていく作業、と説明しています。学習のあいだ、仕組みはデータの例を読み込んでは、パラメータを少しずつ動かします。1つの例を使う回数は、数回のこともあれば数十億回のこともある、としています。

日本の「AI事業者ガイドライン」も、AI モデルを、学習データで機械学習をした結果できあがり、入力に応じた予測を出すもの、と定義しています。参考に載せた国際標準(JIS X 22989:2023)の注も、機械学習のモデルは訓練を経てできる、としています。

事前学習:最初に、大量のデータで行う学習

事前学習の説明は、出典によって力点が違います。

Google の用語集によると、「事前学習済みモデル(pre-trained model)」は、もとは学習を終えたモデル全般を指しうる言葉ですが、いまはふつう、学習を終えた大規模言語モデルなどの生成AI のモデルを指します。

推論:学習を終えたモデルを使う段階

例を見せても、パラメータは書き換わらない

推論のときにプロンプトの中で例や説明を見せて、仕事のやり方を合わせることもできます。

学習と推論で、かかるものが違う

ニュースでの出方

関連する言葉

出典

  1. Anthropic「Glossary」の Pretraining の項 platform.claude.com ↗
  2. Google for Developers「Machine Learning Glossary」の training・pre-training・pre-trained model・inference の項 developers.google.com ↗
  3. 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」本編 2026年3月31日、第1部の「AI モデル(ML モデル)」「学習」「推論」の項と脚注17・第2部の脚注36・第3部 D-2)iii. soumu.go.jp ↗
  4. Tom B. Brown ほか「Language Models are Few-Shot Learners」arXiv、2020年5月28日 arxiv.org ↗
  5. NIST「NIST AI 600-1:Artificial Intelligence Risk Management Framework: Generative Artificial Intelligence Profile」2024年7月 doi.org ↗

確認メモ:2026年10月1日に、上の5つの出典の原文を開いて確かめました。Anthropic の用語集は Pretraining の項、Google の用語集(2026年4月10日更新の版)は training・pre-training・pre-trained model・inference の項を読みました。「不器用な巨人」は Google の用語集にあるたとえ(clumsy giants)を訳したものです。AI事業者ガイドラインは、第1部の学習・推論・AI モデルの定義と事後学習の脚注17、第2部のコンテキスト内学習の脚注36、第3部(AI 開発者に関する事項)D-2)iii. の事後学習の段落を読みました。GPT-3 の論文は PDF の文字を取り出し、2章(few-shot の説明)・5章の限界・6.3節(電力)を読みました。電力の数字は論文の書き方(「〜ほど」の見積もり)のとおりです。NIST の文書は2.5節(環境への影響)を読みました。同じ節にある、学習で出る二酸化炭素を飛行機の往復の回数で示した見積もりと、小さく作り直したモデルの影響についての段落は、長さの都合で載せていません。「ニュースでの出方」は、AIログの記事の無料部分にこの言葉が出てくるものを挙げました。このページの「推論」は、英語の inference に当たるものに絞って書いています。国の文書は公共データ利用規約にもとづき、内容を言い換えて使っています(出典:総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」を加工して作成)。