要約(3行)
- ドイツの Aleph Alpha が 10/3、英語とドイツ語の公開モデル「Kolibri」を出した。全体で780億パラメーター、1語ごとに使うのは約30億という「MoE」型(専門家を切り替える作り)で、最大100万トークンの長さを扱え、重みは Hugging Face からライセンス Apache 2.0 で取れる。
- 公的機関・製造業・航空宇宙など、規制のある分野で自社の設備の中で動かす使い方を想定している。ドイツ語の学習データを全体の21.3%入れ、「文書に答えが無いときは『わからない』と言う」訓練もしたと説明している。
- 会社は、同じ速さ・費用帯のモデルの中で品質が最も高く、活性パラメーターが最大4倍のモデルに並ぶと書いている。数字は会社自身の測定で、第三者の測定は確かめていない。
今後の使い方の流れ
- 重みを取る。 Hugging Face の
Aleph-Alpha/Kolibri-1が公開されている。Hugging Face の表示では Kolibri-1 は FP8(容量を小さくした形式)で、元の BF16 版が別の名前で置かれている。 - 専用の部品を入れる。 動かすには、vLLM(モデルを動かす定番のソフト)に Kolibri 用の部品を足す
aleph-alpha-inferenceが要る。公式はコンテナ(まとめて入れた箱)も用意している。 - 考える深さを選ぶ。 「なし・低・中・高」の4段階があり、深いほど答えの質は上がるが、時間と費用がかかる。
- 長い文書は設定を足す。 標準は約26万トークンまで。それ以上(最大100万)は、起動時の設定を足す必要がある。
この発表で何が変わりそうか(分析)
- 「自分の設備の中で動かす」選択肢が、ドイツ語圏で増えた。 社内のデータを外部の AI サービスに出せない組織向けに、重みごと渡す形で出した。ライセンスが Apache 2.0 なので、商用で組み込む条件のハードルは低い。
- 小さく動かす方向の設計。 780億のうち約30億しか使わず、50層のうち全文を見る層は10層だけ。会社は、同じ2台の H100 で、比較した1,230億の型は256k トークンの質問を3件しかさばけないのに対し、780億の型は18件を同時に処理できると書いている。必要な機材の最小構成は発表に書かれていない。
- 全部の項目で勝っているわけではない。 会社の比較表では、数学(AIME)や GPQA で他のモデルと同等以上だが、関数呼び出しの試験 BFCL v4 の総合は Qwen3.6-35B-A3B(67.2)が Kolibri(61.4)より上。得意・不得意は表を見て選ぶことになる。
- 「主権(ソブリン)」を売りにしている。 どのデータで学び、どの設備で訓練したかを説明できることを品質の一部にしている(ドイツとフィンランドの設備で訓練)。法令への適合は「設計時に念頭に置いた」という会社の説明で、第三者の認証があるかは書かれていない。
- 英語以外の言語に特化する流れが続きそう【推測】。 ドイツ語のデータを集めるのに、自前で選別・書き換えを重ねたと詳しく書いている。言語ごとの専用モデルは、各国で出てくるかもしれない。
- 中の人の言葉:ブログは会社名義で、署名した個人の発言が無いため、載せない。
出典
- Aleph Alpha 公式ブログ「Kolibri Has Landed: A Sovereign Open-Weight Model」(2026-10-03)aleph-alpha.com ↗
- Hugging Face のモデルページ(Aleph-Alpha/Kolibri-1)huggingface.co ↗
確認メモ(2026-10-04 に確認):公式ブログの本文と、Hugging Face のモデル一覧(ライセンス・名前)を開いて確かめた。比較表は会社自身の測定で、技術レポート(PDF)と第三者の評価は開いていない。必要な機材の最小構成、日本語での性能、商用の価格は、発表に書かれていないため載せていない。





