Anthropic の公式の説明(下の「公式のページ」)を、内容を足さずに読みやすい日本語に書き直したものです。公式の翻訳ではなく、Anthropic が作ったものでもありません。公式は予告なく変わるので、使う前に公式のページもご覧ください。
このページで分かること
- デスクトップアプリで、セッションをいくつも開いて別々の作業を同時に進める方法と、2つを並べて見る方法
- worktree を使うと、あるセッションの変更がほかのセッションのファイルに混ざらない理由と、使える条件
- worktree の置き場所・片付け方と、ターミナルで使う版(CLI)での始め方
先に知っておく言葉
- セッション:今いるフォルダに結びついた、1つの会話。セッションごとに作業の記憶が別々です
- Git・リポジトリ:ファイルの変更の歴史を記録する仕組みと、その記録の入ったフォルダ
- ブランチ:同じリポジトリの中で、変更を分けて積み上げるための流れ
- コミット:変更を Git の歴史に記録すること
- worktree:同じリポジトリの歴史を共有したまま、ファイルとブランチを別に持つ作業用フォルダ。Claude を worktree で動かすと、変更は別のフォルダの別のブランチに入るので、同時に動く作業どうしがファイルを上書きし合いません
- gitignore:Git の記録に入れないファイルを並べた一覧。たとえば
.env(パスワードなどの設定を入れておくファイル)を入れておきます - プルリクエスト(PR):ブランチの変更を本流に取り込んでもらうための申し出
デスクトップアプリで、同時に進める
- サイドバーの + New session を押します(Mac は
CmdN、Windows はCtrlNでも同じ)。開いたセッションごとに、別の作業を指示できます - 作業するフォルダが Git のリポジトリのときは、ブランチ名の横にある worktree を選びます。そのセッションは自分専用のプロジェクトの写しで動き、コミットするまでは、ほかのセッションに変更が届きません
- セッションの行き来は
CtrlTab(逆向きはCtrlShiftTab)です
2つを並べて見る:サイドバーで開きたいセッションを、Mac は Cmd、Windows は Ctrl を押したまま選ぶと、今のセッションの横に並んで開きます。並べているあいだにサイドバーで別のセッションを押すと、選んでいる側が入れ替わります。1つに戻すときは Mac が Cmd \、Windows が Ctrl \ です。
Git が要ります:セッションを分ける働きには Git が必要です。多くの Mac には最初から入っています。ターミナルで git --version と打って、版の番号が出れば入っています。
置き場所と、片付け方
- worktree は、最初はプロジェクトのフォルダの中の
.claude/worktrees/に作られます。場所は Settings → Claude Code の「Worktree location」で変えられます。同じ所で、worktree のブランチ名の頭に付ける文字も決められます - 終わった worktree を消すときは、サイドバーで対象のセッションの上にカーソルを置き、出てくるアーカイブの印を押します
- Settings → Claude Code の Auto-archive after PR merge or close をオンにすると、PR が取り込まれたか閉じられたときに、セッションが自分でアーカイブされます。対象は、自分のパソコンで動き、動き終わったセッションだけです
- worktree は Git の記録から新しく取り出したフォルダなので、gitignore に入っている
.envなどはそのままでは入っていません。プロジェクトの一番上に.worktreeincludeというファイルを置き、gitignore と同じ書き方で名前を並べると、新しい worktree に写されます。写されるのは、その名前に当たり、しかも gitignore に入っているファイルだけです
ほかのセッションの様子を Claude に聞く
デスクトップアプリでは、Claude がほかのセッションの一覧を出し、それぞれの作業の中身を読み、セッションどうしでメッセージを渡せます。たとえば「どのセッションが認証の作り直しを触った?」のように、ふつうの言葉で指示します。
- 見えるのは、デスクトップアプリの Code の画面で動いているセッション(自分のパソコン・SSH・WSL)だけです。クラウドセッションや、ターミナル・VS Code で始めたセッションは見えません
- 何も言わなければ、最近動いた20個までが対象で、アーカイブ済みのものは入りません
- Claude の側からセッションをアーカイブしようとするときは、権限モードに関係なく、毎回あなたの確認を求めます
- 今の作業とは別に直したほうがよいものを Claude が見つけると、会話の中に作業の札(task chip)を出すことがあります。押すと、その作業は自分用の worktree が付いた別のセッションで始まり、今のセッションは止まらずに続きます
ターミナルで使う版(CLI)で始める
claude --worktree 名前(短く-w)で、worktree を作ってその中で Claude を始めます。場所は.claude/worktrees/名前/、ブランチはworktree-名前です。名前を省くと、Claude が名前を付けます- 別のターミナルで違う名前を付けてもう一度打つと、2つ目の分かれたセッションになります
- 対話の画面で使うときは、そのフォルダを信頼する確認が先に要ります。まだそのフォルダで Claude を動かしたことがなければ、一度
claudeだけで起動して確認を済ませます - 会話の途中で「worktree で作業して」と指示しても、Claude が worktree を作ります
--worktreeで作る worktree は、最初の設定ではリポジトリの標準のブランチ(多くはmain)から始まります。今の作業の続きから始めたいときは、設定のworktree.baseRefを"head"にします- 対話の画面で終えるときの扱い:変更が何も無く、名前を付けていないセッションなら、worktree とブランチは自動で消えます。名前を付けたセッションや、変更が残っているときは、残すか消すかを聞かれます。消すと、その中の作業も全部なくなります
公式が挙げている使いどころ
公式のページに書いてある向き・使い方だけを並べます。
- 1つで機能を作りながら、もう1つで不具合を直す:worktree でセッションを分けると、片方の変更がもう片方のファイルに触れない、とあります
- ブランチ名の頭の文字:Claude が作ったブランチを整理しておくのに役立つ、とあります
- PR が取り込まれたセッションの片付け:Claude に、取り込みの済んだセッションのアーカイブを指示できます
- worktree の準備:新しい worktree では、必要な部品を入れる作業を Claude に指示するか、自分でそのフォルダで準備をします
.claude/worktrees/を.gitignoreに入れる:入れておくと、本体のフォルダで worktree の中身が「記録されていないファイル」として出てこない、とあります- ほかのやり方との違い:worktree が分けるのはファイルの変更です。1つのセッションの中で作業を分けるならサブエージェント(役割を持った手伝いの AI)、という分け方を公式は示しています
あわせて読む
公式のページ
- Run parallel sessions with worktrees(英語・原文)code.claude.com ↗
- worktree を使用して並列セッションを実行する(公式の日本語版)code.claude.com ↗
- Use Claude Code Desktop の「Work in parallel with sessions」「Work across sessions」(デスクトップアプリでの説明)code.claude.com ↗
- Glossary(用語集。上の「先に知っておく言葉」の言い換えに使いました)code.claude.com ↗
確認メモ:2026年10月1日に、公式の worktree のページ(英語・日本語)と、デスクトップアプリのページ(英語・日本語)の該当する節を開いて、ボタンとキーの名前・worktree の置き場所とブランチ名・片付けの条件・ほかのセッションが見える範囲を突き合わせました。公式のページに更新日の表示は無いため、この日付は「このサイトが確かめた日」です。デスクトップアプリのページは約8万5千字あり、この題に当たる「Work in parallel with sessions」「Work across sessions」の節だけを使いました。worktree のページからは、Claude が worktree の外を触らないようにする点検の中身、worktree のまま止めたセッションの再開、サブエージェントやバックグラウンドの worktree の片付け、PR から worktree を作る方法、同じ名前の使い回し、Git を使わない場合のフック、Git で直接 worktree を作る方法、本体のフォルダと共有されるもの(承認の記録・プラグインなど)、エラーごとの直し方は、このページには載せていません。「セッション」「worktree」「サブエージェント」は公式の用語集の説明に沿った言い換えです(worktree は用語集の「Worktree isolation」による)。「Git・リポジトリ」「ブランチ」「コミット」「gitignore」「プルリクエスト」の言い換えは公式の用語集に無く、ふつうの意味を一言で添えたものです。公式の日本語版の worktree のページは、確かめた日の時点で英語版より短く、デスクトップアプリが「新しいセッションごとに自動で worktree を作る」と書かれていました。英語版(worktree・デスクトップアプリとも)は worktree を選んだときに作る、という書き方のため、英語版に合わせました。