Anthropic の公式の説明(下の「公式のページ」)を、内容を足さずに読みやすい日本語に書き直したものです。公式の翻訳ではなく、Anthropic が作ったものでもありません。公式は予告なく変わるので、使う前に公式のページもご覧ください。
このページで分かること
- サブエージェントの仕組みと、公式が挙げている「使うとよい場面」
- 最初から入っているサブエージェントと、自分用のサブエージェントを作る手順
- 作ったサブエージェントに仕事を回すときの指示の仕方と、ファイルに書ける主な設定
先に知っておく言葉
- サブエージェント:任された作業を、自分専用の作業の記憶の中で進め、要約を主の会話に返す、役割を持った手伝いの AI
- コンテキストウィンドウ:その会話で Claude が覚えておける作業の記憶。会話・読んだファイル・コマンドの結果などが入ります
- システムプロンプト:AI が会話より先に受け取る、ふるまい方の指示。サブエージェントでは、ファイルの本文がこれになります
- ツール:Claude ができる動作。ファイルを読む、コードを書き換える、コマンドを動かす、など
- 権限モード:Claude が、あなたに聞かずにどこまで進めてよいかの設定
- Plan モード:ファイルを書き換える前に、まず調べて進め方の案を出す権限モード
- フロントマター:Markdown のファイルの一番上の、
---の行で挟んだ設定の欄 - スキル:手順や知識をまとめた指示のファイル。必要なときに Claude が読み込みます
- トークン:Claude が読み書きする量を数える単位
サブエージェントの仕組み
- サブエージェントは、主の会話とは別のコンテキストウィンドウで動きます。システムプロンプト・使ってよいツール・権限も、それぞれ独自に持ちます
- 作業を終えると、結果を主の会話に返します。調べた途中の大量の中身は、主の会話に入りません
- サブエージェントも自分で要求を送るので、その分は主の会話と同じ使用量の上限に数えられます
- Claude は、指示の中身と、それぞれのサブエージェントに書かれた説明(
description)を見比べ、合う仕事があればそのサブエージェントに任せます - サブエージェントは1つのセッションの中で動きます。別々のセッションを並べて動かしたり、セッションどうしでやり取りさせたりするには、公式は別の機能(background agents・cross-session messaging・agent teams)を案内しています
公式は利点として、主の会話の記憶を空けておける、使えるツールを絞れる、ユーザー単位で置けばどのプロジェクトでも使える、指示を絞って専門の役にできる、Haiku のような速くて安いモデルに回して費用を抑えられる、を挙げています。
最初から入っているサブエージェント
対話型のセッションでは、次のサブエージェントが最初から登録されていて、Claude が場面に応じて自動で使います。
- Explore:コードを探して読み解く、速い手伝い。読むだけで、ファイルの書き換え(Write・Edit)はできません。Claude は呼ぶときに、調べる深さを quick・medium・very thorough から選びます
- Plan:Plan モードのあいだ、計画を出す前の下調べをする手伝い。これも読むだけです
- general-purpose:調べることと変えることの両方が要る、手順の多い作業の手伝い。サブエージェントに使えるツールをすべて使えます
Explore と Plan は、下調べを速く安くするために CLAUDE.md と git の状態を読み込みません。
自分用のサブエージェントを作る
サブエージェントの正体は、先頭にフロントマターを付けた Markdown のファイルです。Claude に書かせるか、自分でファイルを書きます。Claude Code v2.1.198 以降、/agents は作成の手順の画面を開かなくなりました。
- 作りたいものを Claude に指示する:中身と置き場所を書きます。公式の例では、自分用として
~/.claude/agents/に置くこと、ファイルを見て読みやすさや性能などの改善を提案する役であること、問題ごとに説明と今のコードと直した版を出すこと、読むだけにして Sonnet を使うことを、まとめて伝えています - できたファイルを開いて確かめる:例なら
~/.claude/agents/code-improver.mdです。先頭のname・description・tools・modelが指示どおりかを見ます。---より下に書いた文は、その手伝い役のシステムプロンプトとして使われます - 試す:「code-improver エージェントで、このプロジェクトの改善点を出して」のように指示します。任せると、会話の中に
code-improver(Suggest code improvements)のような、名前と作業の短い説明が並んだ行が出ます
作ったものを Claude が見つけないときは、Claude Code を起動し直します。公式によると、これはセッションを始める前に ~/.claude/agents/ が無かった場合に限られます。いくつかの例外を除けば、ファイルを足したり直したりすると Claude Code が数秒で気づき、次に任せるときから新しい中身が使われます。
置き場所で、使える範囲が変わる
.claude/agents/:そのプロジェクトだけで使えます~/.claude/agents/:自分のすべてのプロジェクトで使えます- 同じ名前のものが複数あると、優先の高い場所のものが使われます。高い順に、組織の管理設定 → 起動時に渡すもの(
--agents)→ プロジェクト → ユーザー → プラグインです
ファイルに書ける主な設定
書かなければならないのは name と description の2つだけです。欄の名前は公式の一覧と一字一句同じにします。知らない欄は、エラーを出さずに無視されます。
name:名前。:は使えませんdescription:いつこのサブエージェントに任せるか。Claude はこれを見て任せるかを決めますtools:使ってよいツール。書かなければ、サブエージェントに使えるツールをすべて引き継ぎます。逆に外したいツールはdisallowedToolsに書きますmodel:sonnet・opus・haiku・fable、claude-opus-5-5のような正式なモデルの名前、またはinherit(主の会話と同じ)。書かなければ、決まった順で選ばれ、どれにも当たらなければ主の会話のモデルになりますpermissionMode:権限モード。ただし主の会話がbypassPermissions・acceptEdits・Auto のときは、主の会話と同じモードで動き、この欄は使われません。また、この欄にbypassPermissionsと書いても、主の会話のモードで動きます(Claude Code v2.1.267 以降)skills:起動したときに中身ごと読み込ませておくスキルmemory:会話をまたいで残る、そのサブエージェント用の記録の置き場所(user・project・local)。公式はprojectを標準として勧めています。Claude Code の自動で覚える機能(auto memory)をオフにしていると働きません
説明は、自作のもの全部を足して 15,000 トークンを超えると、起動したときに警告が出ます(組み込みの分は数えません)。説明は短くし、細かいことは本文に書きます。
サブエージェントに仕事を回す
- 自動で:Claude が、指示の中身、それぞれのサブエージェントに書かれた説明、いまの状況から決めます。自分から任せてほしいときは、説明に「use proactively」のような言葉を入れます
- 名前を書いて指示する:「test-runner サブエージェントで、落ちているテストを直して」のように書きます。任せるかどうかは Claude が決めます
- @ で選ぶ:
@を打って候補から選ぶと、その1件は必ずそのサブエージェントが動きます。このときも、あなたの書いた文は Claude が受け取り、手伝い役に渡す指示文は Claude が組み立てます - セッション全体をそのサブエージェントにする:ターミナルで
claude --agent 名前と起動するか、.claude/settings.jsonにagentを書きます
終わったあとと、動き方の決まり
- サブエージェントは呼ぶたびに新しく始まります。前の続きをさせたいときは「さっきのレビューを続けて、次は〇〇を見て」のように指示すると、Claude が前のサブエージェントを、それまでのやり取りを持ったまま再開させます
- Explore と Plan は1回きりで、再開できません。続けたい作業には general-purpose か自作のサブエージェントを使います
- 対話型のセッションでは、サブエージェントは既定で主の会話と並んで裏で動きます(Claude Code v2.1.232 以降)。裏で動くものが許可を求めるときは、どのサブエージェントが聞いているかの名前付きで、主のセッションに確認が出ます
- サブエージェントは自分のサブエージェントを、既定で主の会話から3層下まで起動できます(Claude Code v2.1.219 以降)。また既定では、20 のサブエージェントが動いているあいだ、Claude が新しく起動しようとしても失敗します(Claude Code v2.1.217 以降。ultracode を使っているセッションでは、この上限はかかりません)
公式が挙げている使いどころ
公式のページに書いてある向き・使い方だけを並べます。
- 脇の作業で記憶をあふれさせない:検索結果・ログ・もう見返さないファイルの中身で主の会話がいっぱいになりそうな作業を任せます。同じ指示で同じ種類の手伝いを何度も呼んでいるなら、自分用のサブエージェントを作るように、とあります
- 出力の多い作業を切り離す:テストを流す、資料を取ってくる、ログを処理する、など。たとえば「テストを流して、失敗したものとエラーだけ報告して」と指示します
- 並べて調べる:互いに関係しない調べものを、複数のサブエージェントに同時に任せます。ただし、多くが細かい結果を返すと主の会話の記憶を多く使い、各サブエージェントもトークンを使う、と注意があります
- 順につなぐ:たとえば、レビュー役が性能の問題を探し、直し役が直します
- 主の会話のほうが向くとき:やり取りを何度も重ねる作業、計画・実装・テストで多くの前提を共有する作業、小さな変更、待ち時間が気になるとき
- サブエージェントが向くとき:主の会話に要らない大量の出力が出る作業、ツールや権限を絞りたいとき、独立していて要約で返せる作業
- スキルとの使い分け:使い回す指示や手順を、切り離さずに主の会話の中で動かしたいなら、スキルを考えるように、とあります
- 作り方のすすめ:1つの仕事に絞る/説明は、どのサブエージェントに回すかが決まるくらい具体的に書く/ツールは要るものだけ渡す/プロジェクトのものはバージョン管理に入れてチームで共有する
あわせて読む
- コンテキストウィンドウ(Context window):作業の記憶がいっぱいになったとき
- 権限モード(Permission mode):Claude に聞かずに進めさせる範囲と、切り替え方
- モデル設定(Model configuration):モデルの選び方と切り替え方
公式のページ
- Create custom subagents(英語・原文)code.claude.com ↗
- カスタムサブエージェントの作成(公式の日本語版)code.claude.com ↗
- Glossary(用語集。上の「先に知っておく言葉」の言い換えに使いました)code.claude.com ↗
確認メモ:2026年10月1日に、公式のサブエージェントのページ(英語・日本語)と用語集を開いて、組み込みのサブエージェント・作る手順・置き場所と優先の順・設定の欄・仕事の回し方・層と同時に動かせる数を突き合わせました。公式のページに更新日の表示は無いため、この日付は「このサイトが確かめた日」です。公式のページは約10万字あり、起動時に JSON で渡す定義の書き方、モデルを決める順番の細かい決まりと環境変数、使えるツールの細かい一覧と絞り方、MCP サーバーをサブエージェントだけに持たせる方法、フックでの条件付きの制限、isolation(worktree で動かす)などの細かい欄、裏で動くか前で動くかの決まりと、ターミナルの画面での操作、会話を丸ごと引き継ぐ「フォーク」、報告の中身の自動点検、作業の記録の保存場所、例として載っている4つのサブエージェントの全文は、このページには載せていません。「コマンド」は、公式の用語集では /名前 で呼ぶ指示のことですが、このページでは「パソコンに出す命令」の意味で使っています。「システムプロンプト」は、用語集では Claude Code が会話より先に毎回送る指示のことです。サブエージェントでは、ファイルの本文が Claude Code の指示の代わりにそれになる、という公式のページの説明に合わせて言い換えています。「トークン」の言い換えは公式の用語集に無く、ふつうの意味を一言で添えたものです。公式の日本語版は、確かめた日の時点で英語版と同じ内容でしたが、入れ子の層の上限の段落で、上限に達したフォークの動きが英語版と逆に訳されていたため、英語版に合わせました(このページには載せていない部分です)。